履修の自由度が高いのが
大きな魅力

高校生のころ、大学では日本史を研究したいという夢を持ち、特に興味のあった近世史や近代史について専門の先生がいる慶應義塾大学文学部を志望しました。福澤諭吉の『福翁自伝』を読み、その時代を生きた人の視点から見た歴史の面白さに触れて、慶應義塾ならこの時期の史料をたくさん研究できるのではないか、と思ったのもきっかけです。

一方で、高校生のときには言語学など他の分野にも興味を持っていました。そのため、1年生のうちは教養課程で多様な学問に触れ、その後、2年生から専攻に分かれる、という履修の自由度の高さに大きな魅力を感じました。最初の志望通り日本史学を専攻しましたが、多分野にわたる教養科目で学んだ経験はその後もずっと生きています。

幅広い学びと交友関係で
世界が広がった

日本史学専攻では本物の史料に多く触れ、史料を読み解く楽しさに夢中になりました。歴史の教科書に名前が出てこないような人でも、史料の中ではいきいきとした登場人物となって現れます。それが史料を読む喜びとなり、自分なりの根拠を持って表現する力も養われました。先生方との交流にも恵まれ、史料の調査旅行に同行したり、研究会とその後の懇親会でお話したり、親しんで接することができました。進路のことについてもよく相談に乗っていただき、感謝しています。

また、他専攻や他学部の授業も履修でき、哲学専攻の「心の哲学」や、美学美術史学専攻の「芸術学」、経済学部の「経済史」などの授業を受けたことが印象的です。特に、経済学部の「経済史」は、同じ歴史であっても文学部の史学専攻と研究の手法が異なることがあり、興味深かったです。

教職課程や学芸員課程で、専攻を越えた友人と励まし合いながら実習をしたことや、海外からの留学生と一緒に古文書解読に奮闘し、キャンパスで語り合ったのも忘れられない思い出です。このような幅広い学びと交友関係から、自分の世界を存分に広げることができた学生生活でした。

探究する面白さを伝えたくて
教職の道へ

卒業後は、自分が大学で実感した、何かを深く探究する面白さを伝えたくて、教職の道に進みました。担当している「社会」の授業では、一つの事柄を扱うときも、異なる見解であったり、背景の人間模様であったり、奥行きのある情報を盛り込むよう心掛けています。多くの生徒が社会の出来事に関心を持ち、熱心に耳を傾けてくれるのがとても嬉しいです。もし授業を通して生徒たちの知的好奇心を刺激できたとすれば、大学で多くの人と出会って学びを深められたおかげだと感じています。

大学生活を振り返れば、自分の興味や関心を出発点にして、ぐんぐん世界が広がった日々でした。慶應義塾大学文学部は自分が好きなこと、知りたいことをとことん探究できる場所。さまざまなバックグランドを持つ人たちとのたくさんの出会いと、ここで過ごした時間は必ず大きな財産になるはずです。