東シナ海地域の祭祀と芸能の原風景へ
                                    野村伸一



1浄名院の地蔵。
俗に八万四千躰という。東京台東区上野桜木

2 境内のへちま地蔵。大小とりどりである。


3旧暦8月15日にはへちま供養の参詣者でにぎわう。咳・喘息に効果あり。

1.祭祀の記憶に向かう-ひとつの原郷

 旧暦8月15日の当日、浄名院では参拝者に梵字の記されたお札を配る。その日から21日間、真言を唱え、梵字を呑み込む。すると喘息が治るという。小学生のとき、明治生まれの祖母に代わってその真言を読んでやった。真言はカタカナで記されていた。その末尾にアビラウンケンソワカとあった。

 この呪文めいたことばが大日経にいう大日如来の真言(五字真言)に由来するなどということは庶民の世界では誰一人知らなかった。子供心に不思議さを感じたままであった。

 なお浄名院は俗称ヘチマ寺。東京都上野公園東叡山寛永寺(江戸における天台宗の本山)の北側に位置する。もとは寛永寺36房のひとつ。四代将軍徳川家綱の母宝樹院 の菩堤所となり浄円院と称した
(「天台宗東京教区」浄名院参照)。
 

  2.東シナ海地域の祭祀へ-原風景撰

    一、全羅南道

   

シッキムクッ。珍島

農楽隊によるまつり海南郡墨洞
 
    二、済州島

正月の堂(タン)クッ。臥屹
 
   三、傀儡の祭祀芸能

流浪芸人男寺党の傀儡戯
  
   四、琉球の森と女性

御嶽のなかの祈り。ユークイ。宮古島西原
 
   五、祭祀のなかの踊り

ウシンデーク。沖縄安田
 
   六、王爺と童乩

2009年、台南の王爺送り安定郷
 
    七、媽祖

広東省汕尾の媽祖
  
   八、南戯

四平戯の舞台福建省楊源

四平戯『白兎記』

汕尾の白字戯
   九、台湾の普度


鹿港地蔵王廟の開鬼門

燈篙

放水燈

転蔵

法船

瑜伽焔口

召魂

孤魂(好兄弟)への供物

   (2012.10.2更新) 
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