新甘露幀撰

  付記 
  以下の図像は、以前、一度、掲載したものですが、ファイルを消失してしまい、長らく「準備中」のままでした。このたび以前の図版を再度、組み直して掲載しました。
 甘露幀は朝鮮民族はいうまでもなく、東アジア民衆文化史のすばらしい財産です。ただし、残念なことに、若い研究者たちはこうした絵画にあまり興味を抱かないようです。

 とはいえ、この広い世界に一人くらいは同学の方がいるのではないかともおもっています。それで、いわば種を蒔いておくことにしました。
 
なお、このホームページに掲載の「朝鮮時代の仏画にみる女性生活像」も参照していただければさいわいです。それにより、この甘露幀の世界はより具体的にみえてくるのではないかとおもいます。そこには関連する参考文献なども記しておきました。
   (2007.7.22 野村伸一)

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1. 慶尚北道南長寺甘露幀(1701)

2. 上から三梵天人、后妃天眷、比丘尼たち

3. 2の部分

4. 四段目右側。師巫神女と散楽伶官

5. 四段目右側。ソッテノリ(竿乗りあそび)とその下での踊り。

6. 四段目左側。自殺、産褥死など。

7. 6の部分

8. 6の部分

9. 中央、右寄りの箇所。僧と「起教大士面然鬼王」。僧は阿難か。

10. 釜ゆでその他の地獄に苦しむ衆生と地蔵菩薩。

11. 南長寺甘露幀最下段。落井の図。

12. 南長寺甘露幀最下段。婦負乳児行乞の図。

13. 慶尚南道サンゲ寺甘露幀(1728年)

14. 下段、ソッテノリと舞妓の図。

15. 下段、さすらいの家族と首をくくる女。

16. 15の部分。

17. 15の部分。首をくくる女。

18. サンゲ寺甘露幀下段。乳をのませる女と亭主らしき男。

19. 円光大学博物館蔵甘露幀(1750年)

20. 下段。芸人たち。芸人の傍らに霊魂が小さくえがかれている。

21. 19の下段部分。井戸に身投げした父母と子。

22. 19の下段部分。首をくくる女など。ここにも霊魂がみえる。

23. 円光大学博物館蔵甘露幀(1764年)

24. 下段。農作業の図。種を撒く女性、間食を器に入れて運ぶ女性。

25. 通度寺甘露幀(18世紀後半)

26. 比丘尼、比丘など。

27. 優婆夷、優婆塞。

28. 通度寺甘露幀下段。産褥死の女。

29. 通度寺甘露幀下段。盲人夫婦。

30. 通度寺甘露幀下段。処刑される男女。

31.京畿道興国寺甘露幀(1868年)。

32. 法会。

33. 興国寺甘露幀。餓鬼。

34. 下段左側。楼閣に集う女人たち。

35. 興国寺甘露幀。市場で酒を売る女。

36.興国寺甘露幀。市場の風景。

37. 興国寺甘露幀下段。綱渡りの芸をはやす女たち。社堂か。左では竹玉の芸がみられる。

38. 男女で踊る芸人たち。社堂か。

39. 興国寺甘露幀下段餓鬼の右側、働く男女。

40. 働く者たち。親子か。

41. 興国寺甘露幀下段。子を抱いた物乞いの女。

42. 興国寺甘露幀下段。ムーダン(巫女)。

43. 興国寺甘露幀下段。盲人夫婦。

44. 興国寺甘露幀下段。孤魂の候補者たち−兵卒、占い(?)、漁夫、猟師。

45. 興国寺甘露幀下段。妓生と閑良(遊び人)。

46. 奉恩寺甘露幀(1892年)。

47. 奉恩寺甘露幀下段。ムーダン。

48. 奉恩寺甘露幀下段。放浪芸人。男寺党(ナムサダン)か。

49. 奉恩寺甘露幀下段。子あるいは弟子を連れた占い。

50. 奉恩寺甘露幀下段。獲物を得たあとの猟師たち。

 追記  採訪日時
 2002年2月 奉恩寺、南長寺、興国寺を順次訪問、調査。
 2002年8月 サンゲ寺、全羅南道大興寺訪問、調査。
 2003年9月 円光大学博物館、サンゲ寺、通度寺
 2004年9月 サンゲ寺ほかの仏画探訪。