臨水夫人廟の花の祭祀「梗花欉」(1998年の映像)


子授けの儀礼。白い花は男児を意味する。台南臨水夫人廟


 台南市建業街の臨水夫人廟では日常的に生育祭祀儀礼がおこなわれる。参拝者のほとんどが女性である。赤児や幼い子を連れた若い母親、あるいは子授け祈願の女性が多い。
 この廟での祭祀儀礼は小法事で二、三時間のものが多い。なかでも梗花欉とよばれる法事は紅白の花を生命の象徴として用いるもので注目される。白は男児、赤は女児の象徴。臨水夫人は生命の花園である百花橋の主神でもある。

 収録映像(1分9秒)

 1.法事をおこなう奥の空間と神像。臨水夫人陳靖姑(中央)、李紗娘(左)のすがたがみえる。
 2.裁花。白い花(男の子)と赤い花(女の子)を授かる女性。
 3.裁花換頭。道士に花園の手入れをしてもらい、頭に花を挿してもらう。臨水夫人廟ではこれに象徴される花の儀が頻繁におこなわれる。花は新しき生命そのもの。
 4.裁花。実際の赤白の花が頭にかざされる。
 5.災厄よけ。赤ん坊を抱いた母親が百花橋の端に腰かける。道士は関を打ち破り煞(厄)を除く。そして弓矢を取り上げ、母子の目の前で断ち切る。

 より詳しい解説と映像は「臨水夫人の儀礼と「物語」、台南」参照。

 (2008.11.30  野村伸一)

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