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諸言語部門
諸言語部門
スペイン語圏の文学・文化、バスク語文学
スペイン北部とフランス南西部にまたがるバスクと呼ばれる地域の固有語、バスク語で書かれた文学を研究、翻訳しています。バスク語は、スペイン語やフランス語に対して少数言語の地位にあり、かつては消滅も危惧されていましたが、20世紀後半から急速な復興を遂げ、それとともにバスク語による現代文学が大きく発展しました。そのバスク語文学の発展のプロセスを、ベルナルド・アチャガを中心とした現代作家たちの研究を通じて明らかにしようとしています。その関係で、バスクのような複数言語地域や少数言語の文学におけるバイリンガリズム、翻訳(特に自己翻訳)、世界文学といったテーマにも関心を持っています。
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韓国語、文化人類学
倭寇・家船・海民の歴史と文化、現代韓国における家族の変容、在日コリアンの教育とアイデンティティ、韓国の徴兵制と認識の変容などを研究してきました。最近は、植民地と戦争の記憶、アジアの食文化と食育などのテーマにも関心を広げつつあります。
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ロシア文学・文化史
私の専門はロシアおよび旧ソ連地域の文学・文化史です。ロシア文化の起源は専らヨーロッパに求められますが、その歴史的な展開の中でアジアの諸地域をも含むようになりました。その意味で、冷戦の一方の主役であったソヴィエト連邦は、東洋と西洋にまたがるユーラシアの帝国でもありました。私の研究では、記憶政治、越境、文化翻訳などに着目しながら、複数の地域文化の比較を行います。ロシアという空間は、ヨーロッパとアジアの両方の文化において重要なコンタクト・ゾーンなのです。
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西洋古典学
古代ギリシアの文学を研究の対象としています。特に紀元前5世紀のギリシア悲劇が、民主政アテナイという言説空間でどのような位置を占めていたかに関心があります。この他、古典文学の伝統の中で描かれる「客人歓待」「復讐」「嘆願」といった地中海的なテーマに興味を持っています。
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イタリア史
近世のイタリア、ローマの歴史を研究しています。中でも教皇の存在に注目し、カトリック世界の精神的トップであるだけでなく、ローマを中心とする中部イタリアの広大な領土を実際に統治する世俗君主でもあった教皇のもとに、近世のローマがどのように統治されていたのか、教皇と都市ローマとの関係を考察しています。ローマの特殊性を明らかにすると同時に、この時代の国家の一般的特質を見出すことも目指しています。
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スペイン美術史
スペインの黄金世紀の美術について研究しています。特に初期セビーリャ時代のベラスケスのボデゴン画に興味があり、17世紀初頭のセビーリャにおける自然主義的絵画の起源とボデゴン画の関係を解明したいと考えています。同時代のスペインにおける絵画理論や絵画蒐集についても研究を進めています。