6月30日、三田キャンパス北館ホールにて、極東証券株式会社寄附講座による文学部公開講座「橋渡しする文学部」の第1回「歴史を伝える」が開催されました。文学部長の松浦良充教授の挨拶に続き、民族学考古学専攻の安藤広道教授と教育学専攻の山梨あや准教授が講演をされました。
安藤教授は、歴史学の成果を研究者が一方的に伝えるのとは異なり、一人一人が歴史の構築主体として対話のネットワークを取り結ぶことが重要であるとされ、その実現に向けた研究者の役割にも言及されました。
山梨准教授は、自身が面白さを感じ、「なぜ」と問いかけ続けている小学校教育の歴史についてお話しされ、「自分」が歴史の中にいて歴史と関わっているということを認識できるような仕組みや教育活動が必要では、と問題提起されました。
講演の後は、フロアの皆さんと活発な意見交換がなされ、「歴史」のとらえ方や、研究者の役割、慶應義塾大学文学部の教育などが論点となりました。学問と社会を橋渡しするような人材が文学部から巣立ってほしいという意見も出され、盛況の内に公開講座の第1回は幕を閉じました。