図書館・情報学専攻
情報検索、テキストマイニング
情報検索の理論・技術全般に関心を持ち、特に、統計学的な方法によって検索性能の向上を目指す研究を行っています。具体的には、これまで言語横断検索(検索質問と文書とで使用言語が異なる場合の検索)について、いくつかのアルゴリズムを提案してきました。また、文書の自動的なクラスタリングについても研究を進めており、最近では、大規模な文書集合に対して、階層的な構造を与えるためのクラスタリング技術について実験しています。
人間科学専攻
医療人類学、精神医学史
医療人類学の視点から、「病いの文化」について研究しています。近代社会において、医療の対象領域が拡大していくことで、社会の関係性や人々の主観性にどのような変化が生じていくのかに関心があります。日本と北米の精神医療でのフィールドワークを中心に、うつ病や認知症といったライフサイクルの医療化や予防医学をめぐる問題を人類学的に考察しています。
心理学専攻
臨床発達心理学、障害科学、認知神経科学
子どもの発達とその障害について実験研究と実践研究を行っています。実験研究では、学習障害などの発達障害を対象として、多彩な認知発達と脳機能の関係の解明に取り組んでいます。実践研究では、発達につまずきのある子どものアセスメントや支援を実際に行い、一人ひとりにあった支援法の開発や地域社会への還元を目指しています。
仏文学専攻
フランス語学
主にフランス語の文学テクストを対象とし、意味論と語用論の境界領域の諸現象を分析しています。レトリックや翻訳学にも関心があります。
社会学専攻
医療社会学、社会調査法、家族社会学
私はこれまで高齢者介護、特に認知症患者の方への介護を中心に、研究を進めてきました。認知症患者ご本人、そのご家族、介護・医療専門職の方々との間の相互行為の展開を、社会学的な観点から分析しています。
諸言語部門
韓国語、文化人類学
倭寇・家船・海民の歴史と文化、現代韓国における家族の変容、在日コリアンの教育とアイデンティティ、韓国の徴兵制と認識の変容などを研究してきました。最近は、植民地と戦争の記憶、アジアの食文化と食育などのテーマにも関心を広げつつあります。
独文学専攻
近現代ドイツ文学、文化史、スポーツ史、ポピュラー音楽、怪獣映画
ゲーテが、20世紀の思想家たちに与えた影響の研究を出発点に、「言語」、「形」、「色」、「音」、「時間」、「身体」、「自然」といった諸概念の関り合いについて考察しています。それと関連して、アーカイヴ学、ポピュラー文化・音楽論、怪獣映画論、サッカーやボクシング等の近代スポーツとドイツ独自のトゥルネンをめぐる文化史も研究しています。
自然科学部門
発生生物学
イトマキヒトデの胚や幼生は透明で単純な形をしているため、生きたままで体を構成するほとんどすべての細胞を観察したり、それらに対して除去や移植などの顕微手術を施すことが出来ます。私はこのような材料の特質を生かして、胚や幼生を構成する各部分が発生の進行や生命の維持にどのような役割を果たしているか、解析を進めています。
図書館・情報学専攻
学術コミュニケーション、図書館・情報学
学術コミュニケーションが知の形成にいかに関わるのかを、情報メディアという観点から研究しています。現在は特に、情報メディアのデジタル化の影響、研究成果のオープンアクセス、オープンサイエンスにおける学術情報基盤に関心を持っています。
国文学専攻
中古文学
『源氏物語』・『うつほ物語』を中心とした平安朝物語の後宮、具体的には後宮の建物や皇妃制度について扱っています。物語が史実をどのように取り込んだかということに関心を持っています。
独文学専攻
中世ドイツ文学
中世ドイツの文化と思想を研究しています。主として、キリスト教神秘思想が生まれた社会史的・思想史的背景を調べるのが私の仕事です。またそれと並んで、ヨーロッパの神話や古い文学にも興味をもっています。ヨーロッパ人の意識の「古層」 を探りたいと考えています。
自然科学部門
自然人類学、人類進化学
人類の進化史について、主に歯牙の形状に着目して研究を行っています。近年は骨や歯の形状の3次元デジタル分析手法を活用したさまざまな共同研究も進めています。
諸言語部門
ロシア文学・文化史
私の専門はロシアおよび旧ソ連地域の文学・文化史です。ロシア文化の起源は専らヨーロッパに求められますが、その歴史的な展開の中でアジアの諸地域をも含むようになりました。その意味で、冷戦の一方の主役であったソヴィエト連邦は、東洋と西洋にまたがるユーラシアの帝国でもありました。私の研究では、記憶政治、越境、文化翻訳などに着目しながら、複数の地域文化の比較を行います。ロシアという空間は、ヨーロッパとアジアの両方の文化において重要なコンタクト・ゾーンなのです。
英米文学専攻
異文化コミュニケーション、異文化適応
私が関心を持っている研究領域は異文化コミュニケーション、異文化適応心理学、及び異文化間教育です。日本と海外との間の効果的な異文化接触を促進することと、異文化適応プロセス及びその結果に関する概念化を開発することを通して理論的研究を進展させることを目指しています。
日本史学専攻
近世・近代日本の社会経済史
近世から近代の地域経済の発展について研究しています。商人や農民の経済活動を示す古文書を調査し、そこから判明する社会のあり方を検討しています。金銭貸借や商品取引の実態から、地域市場圏の構造を解明することを目的としています。とりわけ近世後期に成長した商人や富農が、近代初期にどのような経済活動を行い、地域社会においてどのような地位を占めていたのかを分析することにより、近世から近代の連続性と変化がどのようなものかを明らかにしようとしています。
国文学専攻
日本漢文学(近世・近代)
江戸・明治時代の日本人が作った漢詩や漢文を研究しています。これまでは、今日忘れられている幕末・明治期の専門漢詩人の業績について再評価を試みるとともに、森鷗外や正岡子規などの近代の文学者と漢文学との関係について分析を行ってまいりました。現在は、漢籍の日本への流入状況や、日本漢詩におけるカノン形成の過程に着目しながら、戦前までの漢文文化の大きな流れについて考えています。また、近世文学における海外表象のあり方や、漱石など近代作家に関する史料考証にも関心を持っています。
美学美術史学専攻
西洋美術史
ドイツ近代美術を中心として研究に取り組んでいます。いま進めている研究は、19世紀から20世紀への転換期において美術・建築・庭園が相互に接合する様相を、クロス・ディシプリナリー(美術史学/芸術学/自然科学)の立場から解明する庭園芸術学の試みです。
東洋史学専攻
明清社会史、中国ジェンダー史
私は、明末~清末の社会における庶民女性の生活について研究しています。庶民女性が自分自身で書き残した記録がないため、裁判史料や公文書に示された庶民女性にかかわる社会通念や倫理規範について検討しています。近年は、清末の新聞において、裁判関連の事柄がどのように報道されたかについても興味を持っています。
英米文学専攻
近現代イギリス文学
18世紀から20世紀初頭にいたる小説作品、特にゴシック文学 (恐怖文学) を研究しています。
人間科学専攻
人類学、アフリカ地域研究
文化人類学的な視点から戦争と平和に関する研究を進めています。人びとはなぜ戦争に参加するのか、戦場でいかなる経験をしているのか、平和を形成・維持するためにどのような営みを続けているのか、といった問いを、フィールドワークにもとづいて検討してきました。最近はグローバル化と地域開発の問題、アフリカン・フードの展開にも関心を寄せています。
美学美術史学専攻
日本美術史
日本の古代、中世仏教彫刻史を専門とし、主に平安時代の浄土教彫刻を研究対象としてきました。彫刻作品単体だけでなく、それを置く場を構成する絵画、工芸の各種表現や、さらには観者との関係に強い関心があります。また、美術館勤務の経験から、彫刻や工芸作品の展覧会での見せ方についても、一緒に考えていきたいと思います。
民族学考古学専攻
動物考古学、民族考古学
人と自然の関係史を読み解くために、遺跡から出土する動物遺体の分析に取り組んでいます。文化と自然を包括的に捉え、第四紀の歴史を通観することに努めつつ、北海道や北部本州、シベリアでフィールドワークを重ねています。
英米文学専攻
アメリカ文学
植民地時代から独立革命期、および19世紀中庸アメリカン・ルネサンス期の文学が主たる研究範囲です。なかでも植民地におけるピューリタン、独立革命期ではベンジャミン・フランクリン、アメリカン・ルネサンス期ではヘンリー・ソローを専門に研究しています。
独文学専攻
歴史語用論、ドイツ語史
ことばの使い方から当時の社会や人間関係を読み解くような言語史研究に魅力を感じて、研究者になりました。例えば私はいま、モーツァルトの手紙やベートーヴェンの筆談帳を研究して、今から200年ほど前に書かれた言語データから当時の社会や書き手たちの人間関係を再構成するという研究をしています。