スペイン語Español

スペイン語のすすめ

メキシコシティ

世界の21か国で公用語とされ、約5億人の母語話者を持つスペイン語。ヨーロッパ南端のスペインから、北中南米・カリブ海地域、アフリカへと広がるスペイン語圏は、長い歴史のなかで、多様性に富んだ文化を育んできました。

文学部では、学生の皆さんにそうしたスペイン語圏の文化や歴史にアクセスするすべを提供すべく、総合的なコミュニケーション能力をバランスよく身につけられるスペイン語教育を行なっています。専攻分野との関係では、西洋史、日本史(キリシタン史)、東洋史(イスラーム史)、西洋美術史、英米文学(アメリカ文学)などを学ぼうとする場合、スペイン語の知識を活かすことが期待できます。

また、これだけ広大な地域で多くの人に使われている言語なので、スペイン語を役立てられる場面は、観光、芸術、スポーツ、ビジネス、外交など、枚挙にいとまがありません。現代の世界において、話者数を増やし続けるスペイン語の重要性はますます高まっており、学んでおいて損することは絶対にないでしょう。

サグラダ・ファミリア

スペイン語はこんなあなたにおすすめです。

  1. 国際派を目指す人。スペイン語の母語話者数は、なんと中国語に次ぐ世界 2 位。上述のように多くの国々で公用語となっているほか、国連の公用語のひとつでもあります。また、天然資源に恵まれたラテンアメリカの国々には、日本企業も多く進出しています。
  2. 米国文化が好きな人。アメリカ合衆国は世界で2番目にスペイン語話者が多い国(1位はメキシコ)で、スペイン語は米国の事実上の第二言語。スペイン語の知識は、米国生活で役立つのは確実なうえ、現代アメリカ文学や、音楽・ドラマ・映画・ミュージカルといったポピュラーカルチャーを理解するためにも欠かせません。
  3. 歴史に興味がある人。スペイン語は、ヨーロッパ南端のイベリア半島で古代ローマ帝国の言語であったラテン語から派生し、レコンキスタと大航海時代を経て、南北アメリカ大陸へと伝播しました。スペイン語を知ることは、そのようなグローバルな歴史を俯瞰する助けとなります。
  4. 美術・建築に関心のある人。スペインはベラスケス、エル・グレコ、ゴヤ、ピカソ、ダリなど、ラテンアメリカはフリーダ・カーロやボテロといった、世界的に著名な画家たちを多数輩出しています。建築の分野では、スペインではローマ帝国時代の遺跡、イスラーム教徒が残した寺院や宮殿、ロマネスク様式やゴシック様式の教会、そしてガウディの独創的な建築などが有名です。ラテンアメリカにはマヤ、アステカ、インカなどの古代文明の遺跡、植民地時代に作られた美しい街並みがあり、特に世界有数の巨大都市メキシコシティは現代建築の宝庫です。
  5. バル
  6. 旅行や食べることが好きな人。スペイン、メキシコ、ペルーなど美食で知られる国が多く、世界遺産などの観光資源も豊富なので、スペイン語がわかれば、スペイン語圏の多様な国々を訪れて現地の文化に親しむことができます。
  7. 音楽が好きな人。スペインのフラメンコ、カリブ海地域のサルサやレゲトン、アルゼンチンのタンゴ、南米アンデス地域のフォルクローレなど、多種多様なジャンルの音楽はスペイン語圏の大きな魅力のひとつです。世界的なヒット曲もしばしば生まれ、近年では「デスパシート」などが記憶に新しいところですが、スペイン語を知っていると、歌詞の意味を理解して口ずさめるようになります。
  8. スポーツ好きの人。スペイン語圏は、サッカーではスペインやアルゼンチン、野球ではキューバ、ドミニカ共和国といった強豪国ぞろい。スペイン語を学べば、選手のインタビューなども容易に理解できるようになります。
  9. 文学に関心のある人。ヨーロッパ近代小説の幕開けとされるセルバンテス『ドン・キホーテ』、ラテンアメリカ文学の世界的ブームを作ったガルシア=マルケス『百年の孤独』など、スペイン語は文学的名作の宝庫でもあります。文学部では、こうしたスペイン語の文学作品に触れられる授業も開講されています。

カリキュラムの特徴

文学部のスペイン語では、日本人とネイティブスピーカーの複数の教員が授業を分担することにより、「読む・書く・聞く・話す」という総合的なコミュニケーション能力をバランスよく身につけてもらうことを目標としています。

1年生
週3コマを履修します。このうち2コマが日本人教員による文法の授業、残りの1コマがネイティブスピーカーの教員による会話の授業です。日本人教員の授業では、1年間でスペイン語文法の基礎をひととおり学習し、簡単な内容の文章ならば辞書を使って読み書きできるようになるのが目標です。会話の授業は、文法の授業で学んだ内容を復習し、実際のコミュニケーションの場面でどのようにして使うのかを確かめながら、日常的な会話表現に親しんでいくことを目的としています。
2年生
週2コマの授業(日本人教員とネイティブ教員が1コマずつ担当)で、1年次に学んだ文法の続きを学習しつつ、さらに進んで、スペイン語の読解・作文力や口頭での表現力を養います。また、長文読解などを通じて、スペイン語圏の歴史や文化に対する理解を深めることも目的としています。

文学部のスペイン語の大きな特徴は、通常25名以下の少人数クラスで、教員の丁寧な指導のもと、豊富な練習問題やアクティビティを通じてじっくりと文法を学び、会話力を身につけられることです。復習や質疑応答の時間もしっかり設け、学生が自分の理解を確かめながら学習を進めていけるよう工夫しています。

スペイン語はローマ字読みに近いため、日本人にとって発音しやすい言語です。文法も、ルールがきわめて明快なので、英文法の基本を押さえていればさほど難しくはありません。ただし、どんな言語も一から学ぶのはかなりの努力を要することで、単語はもちろん、日本語話者には馴染みのない名詞の性や動詞の活用など、覚えるべきことはたくさんあります。効率的に覚えるためのコツなど、授業で随時紹介しますので、頑張って取り組んでくださいね。

3年次以降は、スペイン語を学び続けるための「スペイン語中級」、スペインおよびラテンアメリカの文学、美術、映画といった幅広い文化を扱う「スペイン語圏文化研究」などを履修することができます。

検定試験

スペイン語の検定試験には、日本スペイン協会が実施するスペイン語技能検定と、スペイン 国営の文化機関であるインスティトゥト・セルバンテスが実施するDELEがあります。2年次の終わりにスペイン語技能検定4級〜3級、DELEのB1〜B2レベルを目指すとよいでしょう。

スペイン語技能検定 DELE

担当教員について

文学部にはスペイン語担当の専任教員として、スペイン語圏の文学・文化(バスク語文学)を専門とする助教が1人、スペイン美術史を専門とする有期助教が1人います。詳しくは、以下のリンク先の教員紹介を参照してください。

この2名に加え、ベテランの非常勤講師が約10名で、皆さんのスペイン語学習を支えます。ネイティブスピーカーの教員は、スペイン出身者が多いですが、アルゼンチンなどラテンアメリカの国の出身者もいます。
スペイン語圏への語学研修や留学、スペイン語検定の受験などに関心のある人は、ぜひ担当教員に相談してください。

金子奈美
金子奈美
スペイン語圏の文学・文化、バスク語文学

教員プロフィール

諸星妙
諸星妙
スペイン美術史

教員プロフィール